「歌ってみた」が綺麗に聴こえるミックスの方法 【MIX】

歌やラップを録音してオケと合わせて聴いてみたけど。。。

  • 歌がこもって聴こえる
  • 歌がオケと馴染まず浮いて聴こえる
  • 参考にしている曲みたいにならない

その問題、ミックスが解決してくれます!

ミックスとは

録音された各楽器や歌の音量・音質のバランスを調整し曲を完成させる作業

今回は歌のミックスを順番に解説していきます

① モニター環境を整える

まずミックスをする為には音楽を聴くヘッドホンやスピーカーを用意する必要があります
そしてヘッドホンやスピーカーにはモニター用リスニング用があります


【モニター用】
音楽の現場で使用され、原音に忠実な音が再生される
【リスニング用】
家庭で使用され、色づけされた音が再生される

リスニング用のヘッドホン、スピーカーでミックスした場合、バランスの崩れたミックスになる可能性が高いです

ミックスをする場合は正確な音を聴くためにモニター用のヘッドホンかスピーカーを使用します

② ミックスの基本はボリューム操作

まず歌とオケの音量を調整します

慣れてない方は参考にしたい曲を用意して
参考曲ミックスしてる歌、オケを交互に聴きながら、参考曲の音量差になるように調整して下さい

オケとは
歌の入ってない伴奏のみの曲
トラック、空(カラ)オケ、とも言います

フェーダーは下げるのが基本

DAWを操作する際、音が小さいと感じるとフェーダーを上げたくなりますが基本的に数値「0」より下げる方向に使用します

  • DAWのフェーダーの「0」の初期位置は中央より上にあり、下げるストロークが長くなっています
  • 「0」より上げてしまうとレベルオーバーによるクリッピング(※音割れ)が発生しやすくなります

上記の作業で歌とオケの音量を合わせると重なった部分がこもったり濁ったりします
それをこの後EQやコンプなどのエフェクターを使用し歌とオケそれぞれがキレイに聴こえるようにしていきます

③ エフェクターは順番が重要

・上の図はエフェクターを掛ける順番です
エフェクターは掛ける順番で効果と音がとても変わります

EQとコンプが2つずつあるので不思議に思った方もいるかもしれませんが、この後2つのEQとコンプ、そしてエキサイターとディエッサ-のそれぞれ掛ける意味と掛け方を解説していきます

EQ1

低音をカット
低音をカットする事で次にかけるコンプで圧縮する際に低音が引っかかり意図せぬ音質変化が起こるのを防ぎます
簡単にいうと、より自然な音のまま潰す為です

あとは低音に含まれるノイズを除去する為です

低音のカットは50Hz~250Hz以下をカットします
ただし100Hz~250Hzは重要な帯域で声の太さに関係します
女性、男性、声質によっても違うため慎重にカットする帯域を決めます

耳障りなピークの帯域を下げる
低音以外で出過ぎていたり耳障りな帯域があれば下げます

コンプ1

コンプ1は
アタックが遅めのコンプで声全体のレベルを揃えます

一段目のコンプでよく使用されるのがLA-2Aなどに分類されるOptoタイプです
LA-2Aはアタックが遅めで自然に音を潰してくれます

もちろんDAW純正のコンプでもOKです

LA-2Aはゲインリダクション以外のパラメーターが固定されているので設定の必要はないのですが
DAW純正のコンプやその他コンプのパラメーターを設定する場合は以下の通りです

【アタック|5ms~10ms】
【リリース|50ms】
【レシオ|2:1】
【ゲインリダクション|-3dB~-6dB】

初心者の方でパラメーターの設定がわからなければ、とりあえずコンプに用意されているボーカルのプリセットでもいいと思います
ただしゲインリダクションだけは元の音源の音量で数値がかなりかわるので
スレッショルドやインプットを調整してゲインリダクション-3dB~-6dBになるようにして下さい

コンプ2

コンプ2は
アタックが早めのコンプでアタックの聴こえ方を調整します

二段目によく使用されるのが1176に分類されるFETタイプです
歌詞の聴こえ方やグルーブ感を意識しながらアタックを圧縮していきます

もちろんDAW純正のコンプでもOKです

【アタック|1ms~3ms】
【リリース|30ms】
【レシオ|2:1~8:1】
【ゲインリダクション|-3dB~-6dB】

コンプを2つ使用する理由

  • 1つではなく2つのコンプで圧縮する方が圧縮による音質変化を抑えられる
  • それぞれのコンプのキャラクターを使いわける事で音作りがしやすい

EQ2

EQ2では声の音質を作ります
方向性や好みによる所が大きいので
カット、ブースト、各パラメーターの正解はありません
上の図は帯域別の声の特徴です、音作りの参考にして下さい

例えば

  • 低音を下げて太さ・モコモコ感を抑える
  • 高音を上げて声のヌケをよくする

ボーカルの音作りをする際はボーカルのみに集中せず、オケの聴こえ方にも注意を払いながら行います

▼音作りでは音のキャラクターがあるアナログEQで音作りされる事もよくあります

エキサイタ―

エキサイターは音源に倍音を発生させ以下のような効果をだします

・サウンドの輪郭をはっきりさせる
・音源をぐっと前に出す
・張りをだす、ヌケを良くする

エキサイターはDAWによっては標準で用意されてない場合があります

無料のプラグインでしたら「La Petite Excite」というものがあります
有料でしたら様々なものがあります

エキサイターは必ず使用するわけではなくヌケがもう少し欲しい場合などに使用します

ディエッサー

ディエッサ―では「サ行」などを発音する時の耳障りな歯擦音を抑えます

ディエッサ―はほとんどのDAWに標準で用意されています

パラメーターの設定は始めデフォルトやプリセットでかけて、より歯擦音を抑えたい場合各パラメーターを調整します

歯擦音はありすぎると耳障りですが、少なすぎると歌詞が聴きづらくなったりヌケが悪くなるので過度にならないように調整します

④ リバーブ、ディレイはセンドでかける

ここまで紹介してきたEQ、コンプなどのエフェクターはインサートです
ディレイ、リバーブはCPU負荷、音作りの側面から基本的にセンドでかけます

センドを受けるトラックはDAWによって
「FXチャンネルトラック」や「AUXトラック」など名前が違います
各DAWで確認して立ち上げて下さい

ディレイ、リバーブの効果

・広がり奥行きがでる
・華やかになる
・オケとなじむ

✓リバーブの種類

・ルーム
部屋の響き、残響が少ない
原音の輪郭をぼやかし音をなじませる

・ホール
大きなホールの響き
残響が長く原音を遠くに聴かせられる
それぞれの楽器にかけて統一感をだす

・プレート
密度が濃い、原音に艶をあたえミックス全体でやや浮かび上がらせる効果がある
目立たせたいスネアやボーカルによく使用される

・コンボリューションリバーブ
教会やスタジアム、様々場所の響き
それぞれの場所の響きをサンプリングしたものを演算によって再現する為リアルな響き

✓ディレイ

遅延させた音を再生し「やまびこ」のような音を作るエフェクター

原音の残響、余韻をコントロールできる
ピンポンディレイやステレオディレイを使用し左右の広がりも作れる

リバーブ、ディレイのかけかた

ディレイ、リバーブのかけかたは千差万別で様々な方法があります

色々な例を紹介している本もありますのでよければご覧下さい
⇒ディレイ&リバーブ・レシピ


【一例】リバーブとディレイの2つかけ

センド1:プレートリバーブ
センド2:8分音符ディレイ

▼センド1:リバーブを立ち上げてプリセットのPlate(プレート)を選択します

▼センド2:ディレイを立ち上げます

【ディレイタイム:1/8】
【フィードバック:50%】
【ローカット:200Hz】
【ハイカット:10000Hz】

あとはセンド1、2それぞれに音を送ります

センド1のプレートリバーブで広がりを作り
センド2のディレイで余韻を作ります

他にも単体でかけたり違う種類を複数かけあわせたり
様々な方法があるので試してみて下さい

以上が基本的なミックス作業ですが、その他にもよく行われる作業を少しご紹介します

⑤ その他の処理

オートメーション

コンプでは調整出来ない音量操作をボリュームのオートメーションを書いて調整します

マルチバンド・コンプ

複数の帯域を個別に圧縮できるコンプです
通常のコンプよりも細かい音作りが可能です

ノイズ除去

録音の際のノイズをiZotope RXなどのノイズ除去プラグインを使用し除去します

ピッチ、タイミング修正

ピッチやタイミングのずれをプラグインやDAWの機能を使用して修正します

iZotope Nectar

iZotope Nectarを使用すればEQ、コンプ、ディエッサ―などの処理をAIが自動で行ってくれます、とても便利です

最後に

いかがでしたでしょうか?
今回紹介したミックスの方法はDAWやプラグインの操作方法をある程度理解している事が前提だったので初心者の方には少し難しく感じたかもしれません

最初はEQ,コンプ、リバーブを1つづつ使用して効果を少しずつ感じ慣れていくのがいいと思います

今度、プラグインの詳しい操作方法なども紹介したいと思います

ではでは